外遊びが大好きでじっと座っているのが苦手な子供でした。学校の授業中は上の空、休み時間になると張り切って校庭に飛び出していって体を動かす、そんな子供だった私。小学校時代はテストはもちろんチンプンカンプン。中学にあがり、転機がやってきました。親の仕事の都合でアメリカに引っ越すことになったのです。普通に勉強ができない上に、言葉もわからない。友達と遊ぶことだけが楽しみだったのに、言葉がわからないから遊ぶこともできない、まさにピンチでした。友達が欲しい、その一心で、和英・英和の分厚い辞書をカバンに入れて、毎日学校に通うようになりました。クラスメイトとの会話はもっぱら辞書頼み、授業の内容もかみ砕いて教えてもらって、なんとか少しだけノートに書いて、家に帰ったら親と一緒に辞書をめくりながらの復習をしました。あれほど勉強嫌いでじっと座っていることすら苦手だった子が、毎日辞書をめくって勉強をする生活になったのです。そうして頑張り始めたのには理由がありました。日本の中学校と違って、アメリカの中学校には自分と同じ学年なのに自分よりも年上の子がいました。中学1年生のクラスなのに、私のクラスには16歳の男の子がいました。きくと、その子は学力が低いため、実際の学年よりも遅れて進級しているとのことでした。「このままだと、私も永遠に中学1年生のままだ!やばいかも!」、そう思って、泣きながらでしたが勉強に取り組むことにしました。友達が欲しい気持ちよりも、進級したい気持ちが上回ったのです。だって、永遠の中学1年生だったらずっと苦手な勉強を続けないといけないですからね!幸いにも、私の周りには勉強を助けてくれる人がいました。授業中ついていけないのは当たり前のこと。だから学校から帰ったら、家庭教師の先生と一緒に、今日の復習と宿題をやりました。それでもわからないところは、翌日にどうやって授業の先生に質問するかを教えてもらったりして、とにかく毎日毎日、地道な積み重ねを繰り返していきました。気が付いたら勉強することが当たり前になっていて、苦手意識もなくなっていっていました。無事に進級もできて、中学どころか高校も卒業できたのです!勉強が苦手で困っている人がいたら、大丈夫だよ、と言ってあげたいです。どんな人でも苦手なことはあるのです。そして、どんな人でもその気があれば、少しずつ変わっていくことができると思います。毎日の積み重ねを大切に、一歩一歩やってゆけば大丈夫です。
45歳 女性 私がアメリカの高校を卒業できた理由
